強い風が運んでくる春の陽気となかなか終わりを告げない冬の寒さ。 すでに緩み始めた体を冷たい雨は芯まで冷やし、春分の頃までは体調面も精神的にも気が抜けません。 その中で気持ちを明るくしてくれるのは、梅にはじまり、桃、すみれ、菜の花など春の花々。 桜の花の蕾も、もう少ししたら一斉に咲き誇るために静かに準備を進めているところ。 季節は少しずつ、着実に春に向かっています。 早春のこの時期ならではの葉野菜は菜の花。果物は清見(きよみ)など濃いオレンジ色のジューシーな柑橘。 この季節の体を助けるそれぞれの食材の栄養価や特徴をご紹介します。 3月の葉野菜:菜の花 菜の花は花やつぼみ、若い葉茎を食べるアブラナ科の総称で、「菜花(なばな)」「花菜(はなな)」「摘み菜(つみな)」など地方によって様々な呼び名があります。 ビタミン、ミネラル、食物繊維を豊富に含み、なかでもビタミンCは春野菜の中でも群を抜いて多く、1日に必要な量をたった1/2束で摂ることができます。 また菜の花に代表される春野菜は独特な苦味や香りが特徴です。 菜の花の苦味成分の元であるイソチオシアネートは肝臓の解毒機能を高め、冬の間カラダの中に溜め込んだ老廃物の排出を促します。 葉酸や鉄なども含まれていて、抗酸化ビタミンとの相乗効果で貧血予防にも効果的です。 栄養をバランスよく含んだ菜の花は女性特有の症状改善にもおすすめの春野菜です。 苦味や香りで心身ともに刺激を与え、カラダの中から春を迎える準備をしましょう。 3月の果物:清見オレンジ 清見は温州みかんとオレンジをかけ合わせて作られた国内初のタンゴール品種(交雑種)です。 果肉が柔らかくてみずみずしくオレンジの香りとみかんの甘さの両方を楽しめます。 また清見は優秀な品種で新品種を開発する際に使われることが多く、デコポンやはるみ、せとかの親としても知られています。 柑橘類は全般にビタミンCを多く含むのが特徴で免疫力を高めて風邪予防やアレルギーの抑制、ストレス緩和にも役立ちます。 気温の変化が激しい季節の変わり目は自律神経が乱れて体調を崩しやすくなります。 しっかりと休養をとると共に、食事面でも今が旬の柑橘をプラスして栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。 監修:本間純子(グリーンスムージーオフィシャルインストラクター/野菜ソムリエプロ) 多くのアブラナ科野菜の旬である冬の終わりに登場する菜の花は、アブラナ科の個性をひときわ強く感じる葉野菜です。
好き嫌いが別れる味ですが、解毒を促し春の不調を乗り越えるために必須となる栄養価は見逃せません。 菜の花の量は加減しながら、甘い果汁をたっぷり含む春の国産柑橘と一緒にスムージーに入れてみてください。 柑橘は多くの品種が出回る時期なので、それぞれの違いを楽しむためにレシピはなるべくシンプルに。 スムージーに入れる前に、まずは一口味見してみることもお忘れなく。 次回は、菜の花と清見でつくるグリーンスムージーのレシピをご紹介します。▶︎◯ コメントの受け付けは終了しました。
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